大日三山縦走
2005.8.27〜28  3名  曇り時々晴れ

27日(土) 福井(4:00)ー立山駅(7:50)−室堂(8:45)−新室堂乗越(10:10)−2.611ピーク手前昼食(30分)
      ー奥大日岳(12:20)ー七福園ー中大日岳ー大日小屋(2:25)ー大日岳往復(25分))・・・   泊まり
  28日(日) 大日小屋(7:30)−大日平山荘(9:40)(10:10)−称名滝遊歩道(11:55)−バス停(12:00)ー立山駅
                                                   (休憩時間を含みます)

そろそろ夏眠の穴から抜け出さないとこのままでは・・・と、密かにゆっくり白山でもと考えていたら、Jちゃんが大日に付き合ってくれると言う。おまけに二人ではおぼつかないとM姉さままで参加してくれると言う楽しい山行になった。
何しろバスで2.450Mまで上がり、涼しい中を稜線歩き、アップダウンがあるものの高度差は少ないので、私のリハビリにはぴったり! 福井を4時に出発し一路富山に向けて高速に入る。ただ皆の忠告は一つ、「酔い止めを飲め!」
と言う事で、立山インターを降りた辺りで酔い止めを1錠飲んで気分が悪くならないよう祈る。
今日は立山マラソニックが開催され、我が山の会の正式のリーダーともう一人女性が参加している。
富山湾の岩瀬海岸の水に手をつけてから常願寺川をさかのぼり、称名の滝まで走り、その後は弥陀ヶ原に向かって標高差500mの八郎坂を上り、弥陀ヶ原をひたすら室堂へ、さらに雄山山頂までで65kmというコース。
何か聞いただけで気が遠くなりそうなコース。後で聞くと、お二人とも完走されたそうですご〜い!と言うしかない。

夏休み最後の週末とあって、早くも立山駅の駐車場は一杯で何とか裏側の臨時駐車場に停めて、室堂までの片道切符(2.360円)を買う。あまり待つことなくケーブルカーにもバスにも乗れて良かったが、掲示板に出ていた通り「霧、気温12度」そのまま。そんなあ!台風一過晴れのつもりだったのに・・・
立山は顔を見せず、みくりが池でさえ最初はぼーっと見えないくらい。本当なら大日の展望台から今から行くコースが見えるはずが写真の通り・・・。どんどん下って雷鳥沢(2.277M)に出て浄土沢を渡り、剣御前小屋に向かう雷鳥坂を右手に見て私たちは新室堂乗越に向かう。5年ほど前に来た時は7月1日くらいでまだ残雪が多く、お花もわからなかったが、今回は時期的に
遅いのであまり期待はしていなかったが、とても素晴らしいお花のコースなんだとわかって得した気分になった。
始めはチングルマの花が終わって花柱が綿毛のように伸びてとても可愛い群生地、又、花は完全に終わり葉が黄色くなりかけたコバイケイソウの群生地が広がり、これが最盛期だったら・・・とうならせる風景。

チングルマ

新室堂乗越に向けて
高度が上がるに連れて振り返るとロッジなどや右手奥に地獄谷の煙なども見えてくる。時々ガスがひいて日が差したりで、そんなに暑くなくて大助かり。ただ期待していたすかーっとした遠望はなかなか見られず残念!新室堂乗越からは稜線歩きになる。終わりかけながらお花が次々と現れて楽しませてくれる。
だいたいのお花はあったような気がする。
今年はコバイケイソウがどこに行っても良く咲いていたような気がします。お花も当たり年かな?
アップダウンを繰り返しながらまず奥大日岳(2.605.9M)に向かいます。途中昼食タイム30分ほど取っていると、18名の団体さんが追い越して行くが、今日は小屋は満員だそうです。
このコースは静かだろうと思ったのは間違いで、最近は土日は団体が多いそうな。いつも月曜中心の山行をしているので、人の多いのには驚かされる。休むたびに私たちは何か食べているので抜きつ抜かれつしていると顔を覚え、又あんた達食べているのと言った顔される。福井弁の8名のグループも来ていて、賑やか。

歩いてきた稜線を振り返って

ガレ場
天気が良ければ、弥陀ヶ原がよく見え、バスなどが上がっていくコースが手に取るようにわかるはずが、今日はたまにガスの切れ間から見えるだけでした。コース中ベニバナイチゴの実が真っ赤に熟して美味しそう!とても粒が大きく立派。登山道には小動物のウンチが時々あるのだけれど、ウンチも赤っぽくつぶつぶ・・・。沢山実って良かったね。私もお相伴させてもらったけれど、よ〜く熟していないと今一。
奥大日岳を通過するときはガスがかかり、全く剣岳や立山方面は見えず、そそくさと通過してしまう。
そこからしばらく行くとぐ〜んと下ります。長いはしごが一箇所ありましたが危険な事は無く、私に合わせてゆっくり歩いてくれるので助かります。気分も悪くならず今日は元気に登れそうで本当に良かった!と少々の霧も我慢出来る。
お花も次から次へと出てきてこのコースで1番の場所かもしれない。雪田が残ることが多く、雪の解けたところから順々に花が咲くので花期が長く折々の花を楽しめるらしい。何と言っても今日1番はミヤマトリカブト、その紫色に誰かさんが花束にしてあげたいともらしていたが、お相手は誰?

七福園への登り

霧の中のお花畑

シモツケソウと白いのはセンキュウ?シシウド?
ハイマツ、ナナカマド、ダケカンバが巨岩を取り巻き、まるで山上の庭園のような七福園。古くから修験者がここで修行したと伝えられ、岩屋が二つ残っている。
ナナカマドも今年は良い年なのか、実の付きが良くてこの辺りではもう赤くなっている所もある。
少し登ると中大日岳に出る。本当なら槍、穂高も見えるらしいが今日は悲しい事に全く駄目。
疲れてきた頃ハイマツの間を下っていくと、赤い屋根の大日小屋が見えてきた。小屋の後ろに控えているのは大日岳(2.501M)。小屋にはもう沢山の人がいて、宿泊代を払っている間にもどんどん増えていく。部屋にはもうお布団が有無を言わさずと言った感じで重ねて敷かれている。寝れるかなあと心配になるほど。
カメラと合羽の上だけ持ち、廊下にザックを置いて頂上に向かう。15分もしないで頂上に着くが、相変わらずの展望で剣は姿をなかなか見せてくれない。岩陰でお昼ねしながらしばらく待ってみたが、うっすらと姿を見せてくれただけで、あきらめて下山。
明日に期待をして夕食(第1陣5時から)、小屋のお兄さんは明日は必ず晴れます!と断言したがどうだろう・・・

ガスの切れ間を待つ3人
夕食後も時々ガスがあがらないか見てみるが、ますます濃くなるばかりで、お布団にはいるしかない。
まあ肩がつかえるほどの狭さではなく、掛け布団は1枚づつあり横になっていると、埼玉からです、神戸からですと山好きな方々のお話が尽きることなく始まる。その大きな声に私たちは小屋で日頃の愚痴を語り合おうと言っていたのもままならず、そのうち寝てしまった。なんと目が覚めたらまだ9時。回りは静かと言うかうるさいというか、歯軋りといびきばかり。騒いでいる人も無く皆さんしっかり眠りに入っている。もっと寝なくてはと思うけど、隣の人の歯軋りがすごい! それで誘眠剤を飲んで横になってきかないなあと思っているうちにぐっすり・・・明け方4時過ぎまで深い眠りにおちいり、こんなに沢山寝たのは山では初めて。
今日こそはと外を見ると真っ白!お兄さん!嘘ついてない?
朝食は5時から、日の出の時間が20分過ぎというので早く食べて、もう一度山頂に行くはずだったが止めて、ゆっくり部屋で天候の回復を待つことにした。皆さん待ちきれずどんどん帰って行かれるが、私たちはもう少しとねばっていると、何と青空が・・・


小屋の前で

剣岳と右手は?

剣岳 左手奥白馬・唐松方面
いつ見ても剣岳の鋭鋒は素晴らしい!
2年前にあの頂上立ったことがウソのようです。
雲海の向こうには白馬の山並みも見え、やっと満足して7:30下山する事にしました。 以前来たときにいらしたおばさんはもうヘリでしか移動できなくなったので引退なさったとのこと。
お兄さんはその息子さんで、「天気予報当らなくてご来光見れなかったよ。」と言うと、「夜中はいつに無いほど晴れて、星が綺麗で剣のシルエットもくっきりと見えたよ。」と言われてしまった。
小屋の横を下り、大日の南斜面を横切る様にして行くと、左手遠く薬師岳が重厚な姿を表す。
秋の雲に彩られ、五色が原から続く山並みは誰が見ても、一度はゆっくり歩いてみたいと思わせるに十分だろう。
ロングコースはとても私には無理だが、眺めて思いを馳せるだけでも楽しい。そのうち又、ガスが広がって来てしまった。
登山道の両脇はいちご、いちごでこれは熊は食べるのだろうか・・・?

大日小屋と秋雲

右、薬師岳 中央奥は水晶岳辺りでは?
登山道は岩、岩で実に歩きにくく急なので気が抜けない。
日差しも少なく楽なはずだが、かなり汗をかいた。
途中はしごやロープがあり、湿っているので滑りやすく、下りの苦手な人にはかなり嫌なコースかもしれない。
沢をいくつか渡る頃、下に大日平が広がり、奥に大日平山荘も見えてくる。冷たい流れの沢で一休み。
木道が始まるとやっと笹とシラビソの平原に出てホッとする。
夏の花は終わりだが、ワレモコウとイワショウブが風に揺れている。これだけの広い湿原、ニッコウキスゲが多いのかと思うが、全く花が終わったあとが見えない。
オオシラビソの林の中に山荘があり、皆さんビールやアイスクリームなど楽しんでいらっしゃる。
もちろん私以外の2名はビールを。軽く食べたりしてゆっくりと休む。Jちゃんコンパスを出すと、地図の見方を教えてくださる方がいて、いろいろやっているうちにコンパスが狂っている事に気がつかれ、大笑い。一生使えるものと思うのは間違いといい勉強しました。写真下は中央大日岳と右手中大日、その鞍部くらいに小屋があって、その下を下ってきたことになる。

山荘の裏手に上がると不動滝と称名川が見える

オオカメノキの赤い実
山荘から木道をしばらく歩くと、また長い急な下りが始まる。大分歩き少し勾配がゆるくなり土の道が現れるとあ〜楽う!と言う言葉が出る。標識に称名駐車場まで1.4Kと出て、まだそんなにあるのかと思っていると滝への遊歩道に突然出た。
山荘を10:10に出たので12:05のバスには間に合わないと思っていたら、12時5分前。それっと疲れた足に鞭打って?(打っているのは私だけかも)早足でバス停までたどりつき無事立山駅行きのバス(560円也)に乗り込めた。
次のは1:25発だから待たなくて良かった。大日山荘でアイスクリームを我慢して、バスの待ち時間に食べようと思ったのも我慢で、結局立山駅前でやっとカキ氷にありつけました。亀谷温泉に入っておそばを食べて、生ビールを2杯も飲んだ人もいて、皆さん良い気持ちで帰福。有難うございました!しっかりリハビリ登山になりましたよ。
  
出会った花たち

イワイチョウ

ミヤマホツツジ

ミヤマダイモンジソウ

ミヤマコゴメグサ

ミヤマリンドウ

タカネマツムシソウ

オヤマリンドウ

ミヤマトリカブトとタテヤマアザミ

ハクサンフウロ

ヒョウタンボクの赤い実

ウサギギク

シナノオトギリ

オオレイジンソウ

イワショウブ

ワレモコウ
 その他、ヨツバシオガマ、ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、イワツメグサ、ウスユキソウ、ミヤマダイコンソウ、アキノキリンソウ、ニガナ、ミソガワソウ、ヒメシャジン、タテヤマウツボグサ、ウラジロタデ、カライトソウ、etc・・・・

inserted by FC2 system