願教寺山(1.690.9M)

2005.5.9 晴れのち曇り 7名

G.W.も終わり、やっと山に足を向けられる。GW期間中はお天気も良くて、皆さん素晴らしい山行を楽しまれている様子。
我が会では主婦や孫守り、もちろんお仕事に田んぼに忙しい面々ばかりで、好天を眺めていただけでした。
今日はめったに行けない山に連れて行ってもらえると言うので、初心者は心ワクワク、でも心配半分で朝5時半集合して一路大野の上小池へ出発!願教寺山は刈り込み池の上にあり、カサバノ谷を挟んで三の峰と対峙している。
福井県側は急な荒れた山肌で、岐阜県側とは異なっている。福井の山としては打波の頭、一の峰、二の峰についで高いらしい。
7年前からI氏がここがお気に入りで、ルート開拓しロープを付ける等してきている。会では2.002年は4月29、2.003年は4月28日に登っているが、今年は時期が遅く雪が張り付いているか、我々経験していない女性陣が無事下山できるかリーダーは心配しまくり。
頂上でもいつになく宴会も短く酒量も少なくて、誠にご心配をおかけしました。
そんなこと何にもわからないYちゃん、四つんばいになって上がる?まかせておいて山菜採りで鍛えてあるなどと思って出かけました。仕度をして7時10分頃上小池の駐車場をスタート。滋賀県ナンバーのワゴン車が1台あるのみ。どこに行かれたのでしょう?

やっと新緑が始まったばかり

林道を経て取り付きまで50分

この真赤なキノコがあちこちに

やっと雪が融けてオウレンの花が咲いたばかり
始めにブナの森を抜けていくが、雪解けが終わりかけたばかりで、起きかけた笹が汚れたまま行く手をはばみ、ところどころ残雪、倒れかけた潅木やからまるツル等にザックにつけたピッケルがひっかかり思うように前進できない。所謂、やぶこぎなのですが、どうしてI氏は道がわかるのか・・・?
まあ所々印は付けてありますが、藪に気を取られていると見失いがちになり、とても経験者で無いと行けるコースでは無いでしょう。昨年はもう少し残雪があり、時間もかからなかったのでは。
しばらく行くと、大きな木の根元が祠のようになっていて、きっと熊の住みかでは?と、周りを見渡すとブナの木に爪あとが・・・そうかもしれないなどと勝手に想像。今はどこにお出かけ中かな?
手付かずの森が広がり、ブナやミズナラの他トチの大木など巨木が長い年月風雪に耐えて枝を伸ばして来たのでしょう。

笹の少ない所で目印確認中
高度が上がってくると、後ろには赤兎山が見えてきます。
芽吹いたばかりの新緑が眼下に広がり、目に優しい色です。
一気に急斜面になり、雪が現れたり、切れたり・・・
この境目が滑りやすく、又雪が抜け落ちる場合もあり、慎重に進んでいくと大きな突き出た岩のずっと下に出ました。
この岩をI氏は行者岩と名づけています。
上の方に草付きの斜面が見えた頃、岩の右手辺りで崩落があり、小さな岩がいくつも崩れて落ちてくる場面に遭遇。
危険なので雪の上にいた私たちは藪によって収まるのを眺めていました。見上げる急斜面は雪崩などによってもう雪はついていなくて、これは2.003年の場合も同じ状態だったそうです。
左手の安全な場所で一休み、ニリンソウが咲きかけていて、コバイケイソウの緑も鮮やか。斜面の前はどーんと三の峰、右手には銚子ヶ峰から続く一の峰、二の峰などが見え、見飽きない眺めに嬉しくなります。

ここまで2時間半

行者岩?
ここから上は潅木につけたロープなどを頼りに直登、その先はピッケルとアイゼンだというので、潅木の手前にあった大きな木の根元にストックをキープして、いよいよ問題の場所にいざ!
写真で見るよりかなりの急登で、地盤がゆるい上、浮き石が下に落ちるおそれがあり、一人づつ様子を見ながら登っていきます。
実際もっと潅木がからまり、急なところではカメラを出すどころの場合ではなく、下山の時のことが心配になる程でした。
無事通過して、今度は雪の急斜面。
ここで初めて真剣にピッケルなるものを使った気がする。
ザックっと前にさしてリーダーがキックしてくれた足跡を忠実にたどり確実に前進して行きます。この先の景観がどんなものか・・・思い描きながら一歩一歩、又一歩。
長い笹の中を無理やり抜けたり、1時間の奮闘のかいあってピークも間近か。

前を行くは山のお姉さま、ストックで頑張っている

マイピッケル

左奥経ヶ岳、中央赤兎、右大長山

奥から野伏、薙刀、日岸、手前は願教寺に続く稜線
まるで高山に来たような気分にさせる眺めで、疲れも吹っ飛ぶ感じになります。2年前に登った野伏ヶ岳やその途中の和田牧場あとまで見えて下には石徹白方面も見えます。
岐阜県側は緩やかな斜面が続き、360度の眺めを堪能したあとは気持ちよく頂上まで30分、稜線を行きます。この笹が背が高く前の人が見えないので、お〜いと声をかけないと方向がわからなくなってしまうくらいです。雪の上さえ歩いていればご機嫌のYちゃん、皆さん写真を見せると必ず「寒い!」と言いますが、そんな寒い吹雪く時は出かけないのです。こんな気持ちよい山歩きが他にあるでしょうか・・・♪

かすかに踏み後があるような・・・

もうすぐ頂上!

頂上だあ!

手前よも太郎山、右て初霜山

三の峰の左肩には白山、右には別山
岐阜側は好天、福井側は雲がかかってきました。

銚子ヶ峰方面
駐車場から休憩時間も含めて丁度4時間かかりました。
2.003年は3時間半だったそうです。
頂上の低い笹原の中に三角点の標識があり、近くの笹の陰で風をよけて昼食タイム。珍しく丁度1時間で切り上げ12:10下山開始。雲が怪しい色になってきているので長居は無用でしょう。
昨年は「福井の雪山T」の本にあるような下山のコースで降りたらしいですが、今年は遅かったのでもう雪が張り付いていないので、又元来たコースで降ります。雪がないと根曲がり竹の群生の中を行く事になり、とても進めない状態らしいです。
もし行ける場合、右の写真のピークを右にまいて降りていく?
前回参加のJちゃんによると、とても眺めが良いそうな・・・
う〜ん、又来たくなるではないの。
ピーク下の雪面に備えてアイゼン着用して、又慎重に下山。
ロープと潅木の斜面の手前でアイゼン、ピッケルはしまい、今度は両手を使い足元確かめ確かめ、それでも時々「ラク〜」の声がかかる。草付きの斜面まで降りてほっと一息、下を見ると新緑が増したような中、ひときわ白いかたまりがところどころに・・・きっとタムシバでしょう。

三・ニ一と続く稜線の手前、直登して上がってきたピーク
無事、全員赤い印をたどりながら下山。3時間かかりました。
お陰さまでめったに行けないコースで、いつも三の峰の尾根を歩きながら眺めていたこの山に来れて感激、満足の一日でした。
感謝!感謝!
帰りは「あっ宝んど」のお風呂に入って帰福。
もちろんリーダーはお風呂の後、生ビール○杯、お疲れ様!
 大きな山塊の三の峰、左手に続く尾根には山腰屋敷跡の
辺りだというスギ林までわかりました。今度は三の峰の方か
ら、今日登ったのがどの辺りのコースかを見てみたいもの
です。残雪期のそれも経験者とでないと来れない山でした。

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